「ピザ」と「ピッツァ」は呼び方が違うだけで同じ食べ物? それとも別物?
グルメ初心者の方は、メニューで「ピザ」と「ピッツァ」の表記が違うと戸惑うかもしれません。「結局なにがどう違うの?」という疑問が湧いて当然です。
本記事ではピザとピッツァの違いを分かりやすく解説し、語源や歴史から材料・調理法、味やマナー、さらには日本での広まりまで幅広く取り上げます。読み終える頃には、ピザとピッツァの違いを自信を持って説明できるようになり、メニュー選びや話題のネタにも役立つことでしょう。
ピザとピッツァは何が違う?呼び方の由来と意味
結論を言うと、**「ピザ」はアメリカ経由で日本に伝わった呼び方、「ピッツァ」**はイタリア経由で伝わった呼び方です。どちらも同じ「pizza」という料理ですが、日本では出自やスタイルによって呼び分けています。
- ピザ: アメリカ風のスタイル。アメリカで独自に進化したピザが戦後日本に伝わり、宅配やファミレスで広まったため「ピザ」という呼び方が一般化。
- ピッツァ: イタリア風スタイルを強調した呼び方。イタリア語の発音に基づき、本場の伝統的な料理を指すときに使われる。
ピザとピッツァの歴史
- ピッツァの起源(イタリア)
16世紀のナポリで平たいパンにトマトやチーズをのせて焼いたのが始まり。17世紀にはトマトソースを使った「マリナーラ」が誕生し、現在のピッツァの原型となった。 - ピザの誕生(アメリカ)
19世紀にイタリア移民がニューヨークにピッツァを伝えたのがきっかけ。20世紀になると一般に浸透し、宅配システムが確立して「国民食」となった。 - 日本への広まり
1980年代にアメリカ式宅配ピザチェーンが上陸し「ピザ」という呼び方が定着。その後2000年代以降、本格的なイタリア式「ピッツァ」専門店も増え、現在では両方が共存している。
材料・生地と調理法の違い
- ピッツァ(イタリア式)
生地は小麦粉・水・塩・酵母のみ。油脂は加えない。職人が手で伸ばし、薪窯で高温短時間で焼き上げる。外はカリッと、中はモチモチの食感。 - ピザ(アメリカ式)
生地の種類は多様。厚いパン生地、薄いクリスピー生地など。油脂や砂糖を混ぜる場合もある。業務用オーブンで大量生産・効率的に焼き上げる。
トッピング・見た目の違い
- ピッツァ: シンプルで素材を活かす。例:マルゲリータ(トマト・モッツァレラ・バジル)。
- ピザ: 多彩でボリューム満点。チーズ山盛り、肉や野菜をふんだんに使用。日本では照り焼きチキンや明太マヨなど独創的なものも人気。
味わい・食べ方(マナー)の違い
- ピッツァ: 生地の風味を楽しむ。1人1枚が基本。ナイフとフォークで食べるのが一般的。
- ピザ: トッピングのボリュームを楽しむ。大きいサイズをカットしてシェア。手で気軽に食べる。
地域によるスタイルの違い
- イタリア
ナポリ風:モチモチの厚め生地、伝統重視。
ローマ風:薄くてクリスピー、生地が軽い。 - アメリカ
ニューヨークピザ:薄い大判、生地を折って食べる。
シカゴピザ:分厚い「ディープディッシュ」。
デトロイトピザ:四角い鉄板で焼くカリカリ食感。
日本におけるピザとピッツァ
- ピザ: 宅配チェーンで人気。特別な日に頼む高級イメージがある。
- ピッツァ: 専門店が増え、ランチセットなら1,000円前後で楽しめる。ナポリピッツァ協会認定店も増えている。
価格は日本の宅配ピザが高めなのに対し、イタリアでは庶民的な料理として安価に食べられるのも特徴。
ピザ vs ピッツァ比較まとめ
視点 | ピッツァ(イタリア式) | ピザ(アメリカ式) |
---|---|---|
呼称 | イタリア語発音「ピッツァ」 | 英語発音「ピザ」 |
歴史 | 数百年の歴史、ナポリ発祥 | 19世紀アメリカ移民から普及 |
生地 | 小麦粉・水・塩・酵母のみ、薪窯で焼く | 厚生地・薄生地など多様、業務オーブン |
トッピング | シンプル(マルゲリータなど) | 多彩でボリューム満点 |
味わい | 生地の香ばしさと素材の調和 | 具材とチーズのパンチある味 |
食べ方 | 1人1枚、ナイフとフォーク | 大判をシェア、手で食べる |
日本での位置づけ | 本格派レストランや専門店 | 宅配やパーティーで定番 |
おわりに
「ピザ」と「ピッツァ」は、発音や呼び方だけでなく歴史や文化、調理法に大きな違いがあります。とはいえ、どちらも世界中で愛される料理であり、シーンに応じて楽しめるのが魅力です。
グルメ初心者の方もぜひ、宅配ピザと本格ピッツァを食べ比べてみてください。食文化の奥深さを知り、食卓の楽しみがさらに広がるはずです。
コメントを残す